世界の健康と食の安全ニュース
途上国の金採掘が原因となる魚介のメチル水銀汚染
妊婦、子供の大型魚摂食は危険!!!
長寿社会の勝ち組となるには(その13)
2025/03/22
最終更新:2026-07-29
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2016年秋の築地市場移転時に豊洲新市場の水銀汚染が話題となりましたが 近海魚が減少し、輸入量が増えている日本では水産物の産地と海域の知識を 持つことが必須です。 近年はアジア、太平洋海域の金採掘による水銀汚染が話題となっています。 築地市場移転よりだいぶ前に厚生労働省が「メチル水銀に汚染された魚介類が、 脳神経を侵す恐れがある!」 「胎児への影響が大きいため、妊婦、若い女性は大型魚の食べすぎを特に注意しよう!」と 注意を呼びかけたことがありましたが.物議を巻き起こした 金目鯛が危険という2003年の発表を修正したものでした。 最近は漁獲量が増えてきましたが、金目鯛は天然のメバチマグロやビンチョウマグロに較べれば レアな高級魚.なぜターゲットに?という素朴な疑問が噴出. 消費者寄りのスタンスではありません。
2.マグロなど大型魚類が高濃度のメチル水銀(Methylmercury)に汚染。 3.米国食品医薬品安全局(FDA)はメカジキなどを食べないよう(don't eat)勧告 4.米国FDAが指摘する、東洋人と富裕層にメチル水銀の危険性。 5.平成17年8月12日(金)の厚生労働省発表。(対象魚にマグロ類が加わる) 6.なぜマグロ類が採り上げられたのか? 7.平成15年6月3日の厚生労働省発表。(対象魚はメカジキとキンメダイ) 8.日本はメカジキの消費量が極端に少ない(マグロの約700分の1)。 9.フェロー諸島の大規模疫学(コホート)研究 10.水銀とメチル水銀(Methylmercury) 11.メチル水銀(Methylmercury)の害と症状 12.なぜ魚介類にメチル水銀が蓄積されるか 13.メチル水銀排出にエデト酸(EDTA)の使用はお薦めできません 14.水俣病とは 15.魚油(オメガ3)で妊娠中の欝発生リスクが半減
![]() マグロ、クジラなど大型魚ほどメチル水銀汚染濃度が高くなります. サメ類は食する国が多いために調査ターゲット. ![]() エイはサメの親戚. エイひれ料理(写真は和風煮つけ)は美味しいですが水銀汚染度は不明
1. 途上国の水銀による金採掘と精錬 インドネシア、ヴェトナム、ペルーなどアジア、中米、アフリカの発展途上国で 金採掘時の水銀汚染が広がっています。 2013年以来金の価格が急騰し、途上各国では貧困層を中心に原始的な金の採掘が ますます盛んになりました。 1998年 865円/1g 2000年 1,140円/1g 2015年 4,985円/1g 2020年 7,063円/1g 2023年 9,935円/1g 2025年 年初約14,000円/1g 4月約17,000円/1g 年末約23,000円/1g 2026年 26,027円〜26,217円/g 金の採取には手っ取り早い水銀に吸着させる方法が主流なために廃水が河川、海を汚染。 工場も同じく最終工程では水銀で精錬しますから工場排水が汚染を促進。 河に流れ込んだ水銀はメチル水銀化し人類に様々な障害をもたらします。 懸念されているのは輸入魚介類の水銀汚染。 悪いことにインドネシアはマグロ、カツオの漁獲高が世界一。 大量の魚がアジアに出回っています。 インドネシアは無数の島からなる世界でも稀な国家。 日本の2倍以上の人口を抱え、経済的な困窮が背景にあるため、90か国以上が 参加した「水俣条約」に基づく中央政府の管理は容易ではありません。 水銀やダイオキシンによる健康被害は脳視神経を侵しますが、当初は記憶力、視力など 加齢や原因不明で片付けられる症状。 水俣病などのような本格的な発症までに時間がかかりますが 自覚症状が出た時には救いようがありません。(有害性は後の11項) 水銀ばかりでなくアスベスト、トランス脂肪酸、ダイオキシン、ヒ素など 生活に密接にかかわる健康被害は発現に30年以上かかることが多いために、 関心を持つ人はわずか。 「ダイオキシンで死んだ人はいませんし、ダイオキシンが有害なら、 それを含んだ魚も死んでいると思います」 こんな乱暴なコメントがサイトに載る時代。 ダイオキシン散布関係者なのでしょうが急性で死なない限り毒性は無いという説明には 驚くばかりです。 *インドネシアはアジア最大の露天掘り金採取国ですが、工業的採掘では ニューギニア島パプア州にある埋蔵量豊富なグラスベルグ鉱山(Tambang Grasberg)が世界的に著名 2.マグロなど大型魚類が高濃度のメチル水銀(Methylmercury)に汚染。 FDA(米国の食品医薬品安全局)がまとめた魚の安全な摂食方法. a. 妊婦、妊娠適齢期の方々はマグロなどの大型魚類を出来るだけ食べないこと。 ほとんどの魚は多少の汚染がありますが、魚の水銀汚染はプランクトンから始まる 食物連鎖ですから大型になるほど汚染度が高くなるようです。 b. 妊婦、妊娠適齢期の方々が大型魚類を食べる場合は、魚の皮、脂が多い部分(例えばとろ)、 血合いなどは避けたほうが無難。メチル水銀濃度が高い部分といわれます。 c. 魚種での管理は難しいので、総量を1週間350g以内に抑えること。 この数字は米国人の基準ですから、日本人は200gくらいが無難でしょう。 特に子供や小柄な人はさらに摂取量を減ずる必要があります。 d. 調理法としてはフライよりも焼き魚が推奨されています (水銀は加熱で気化スピードが速まります) e. まだ調査が不十分という説もありますが、カツオ、アジ類、さけ、いか、帆立貝からの 過剰量検出は報告されていません。 えび、カニ類も内臓を除いて過剰量の検出はされていません。 過剰量とは魚の重量に対し水銀量が百万分の一以上を指しています。 f. 魚の重要成分であるDHA/EPA(オメガ3)は水銀含有量などをチェックした サプリメントで補うことが賢明です。(バイオ合成されたオメガ3はこの面の 安全性はありますが、有用性に疑問を呈されています) 「安全な海域からのノギボタニカル天然DHA/EPA(オメガ3)」 http://www.botanical.jp/item_view.php?item_number=36 「魚の天然オメガ3脂肪酸と工業生産オメガ3の相違点」 http://www.botanical.jp/library_view.php?library_num=130 g. バラエティーのある魚類の摂取が推奨されています。(理由は不明) h. ダイオキシンの危険性もありますから、魚介類の内蔵摂取は避けたほうが無難。 3. 米国食品医薬品安全局(FDA)はメカジキなどを食べないよう (don't eat)勧告 世界の健康と食品情報をリードするFDAは、妊娠予定、妊娠中、出産後の婦人に対して 「メチル水銀」「トキソプラズマ」「リステリア」の懇切丁寧なガイドを作っています。 メチル水銀に関しては出産予定、妊娠中(Moms-to-Be: Know the Facts About Methylmercury)の 婦人に対して、メカジキ、キングマッカレル(サワラの種類)、タイルフィッシュ(アマダイの種類)を 食べないよう警告しています (If you're pregnant or trying to become pregnant don't eat swordfish tilefish king mackerel and shark.)。 メカジキは厚生労働省が摂食量を1週間1回(80g低度)と区分しましたが(平成17年8月12日)、 クロマグロ、ミナミマグロ、メバチマグロも同列でこの区分に入っています。 4. 米国FDAが指摘する東洋人と富裕層にメチル水銀の危険性。 米国では魚を寿司、刺身などを常食する富裕層や東洋人に食べ過ぎの危険があると指摘されています。 CDC(米国厚生省の疾病管理センター)によれば、 米国の妊娠適齢期女性の8%位は血中水銀濃度が危険水準で、 水銀が胎児の神経機能に与える影響を無視できないそうです。 5. 平成17年8月12日(金)の厚生労働省発表。 (対象魚にマグロ類が加わる) 厚生労働省が2003年に続き2005年に「魚類によるメチル水銀中毒問題」を取り上げましたが、 前回2003年の発表との相違や、現実的な対応法がわからない読者が多いことと思います。 2005年の発表は、これまで公表を控えていたマグロ類が対象魚に含まれたのが特徴です。 「妊婦への魚介類の摂食と水銀に関する注意事項の見直しについて」というものです。 今回の見直し検討はクロマグロ、ミナミマグロ、メバチマグロ、クロムツなど日本人が 常食する魚を含めたのが大きな特徴です。 平成15年6月の審議会の発表(次の項)では、キンメダイが採り上げられ、 「マグロは摂食量が少ないから問題が少ない」との結論でした。 平成16年の7月23日に医薬食品局食品安全部が見直し検討を発表していますが、 この時もマグロ類は対象からはずされていました。 6. なぜマグロ類が採り上げられたのか?
国民栄養調査から特別集計した我が国におけるマグロの摂食状況等について 検討。マグロの摂食を通じた水銀による健康影響は想定しがたいと評価されたため、 注意事項の対象とはしなかった」としています。 今回は「しかしながら、マグロについてもその種類によって水銀含有量が高いものや 低いものがあること等から、今回の見直しの検討においても議論の対象となると考えている」 となりました。 当時から有識者の間では、「欧米ではマグロ類の汚染が当初から問題視されているが、 厚生労働省はマグロの摂食量推定を(意図的に)少なく見積もり、 対象から除外している」と議論が沸騰していました。 今回はこの部分が訂正されたのが特徴的です。 *マグロの食事量は一人2から3切れ(柵の)をベースに日本人の平均食事量としていましたが、 これは日本のマグロ総消費量を総人口で割った(除した)統計のまやかしといわれていました。 厚生労働省の訂正理由は「摂食者の平均ではなく、その悪影響が懸念される 妊婦等を反映した20歳以上の女性の摂食量を用いることがより適当ではないかと考えた」 「刺身、鉄火丼等の形態で一度に多くのマグロを摂食される場合もあることから、 一回分(いわゆる一人前)について新たに調査を行い、その結果に基づく 試算も行っている」 ということです。 検討が開始されたのは2005年7月23日でした。 その他、「JECFA(2003年6月)において、発育途上の胎児を十分に保護するため、 体重当たりの暫定的耐容週間摂取量(PTWI) が半分以下(3.3μg/kgから1.6μg/kg) に引き下げられ、また、米国、英国、アイルランド、オーストラリア及びEUにおいて、 妊婦等への注意事項通達、あるいは改正が行われた」のも、 今回の見直しの(苦しい言い訳)理由としています。 *JECFA:国連の食糧農業機関と世界保健機構(FAO/WHO)の合同食品添加物専門家会議。 *PTWI):the Provisional Tolerable Weekly Intakes 7. 平成15年6月3日当時の厚生労働省発表(対象魚はメカジキとキンメダイ)
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